eスポーツのトーナメントを見ていて、「この大会はどのような形式になっているんだ?」と疑問に思ったことはありませんか?eスポーツのトーナメントにはいくつかの種類があり、タイトルごとに採用形式が異なったりします。中には複雑で初めて大会を見るような人にとってはわかりずらいものもあります。
そこで今回はeスポーツトーナメントの概要や実際に採用されているeスポーツタイトルとトーナメント形式を合わせて紹介していきます。この記事を読めば、いったい大会でどのようなステップで進行していくのかがわかるので今まで以上に大会視聴を楽しめること間違いなしです。
eスポーツのトーナメント概要
eスポーツとは簡単に言うと競技的な環境でビデオゲームをプレイすることです。そんなeスポーツの大会で勝者を決めるためにトーナメントが行われます。海外では大会自体のことをトーナメントと呼んだりしますね。
eスポーツには格闘ゲームやFPS、MOBA、RTSと様々なジャンルがあります。ぜひ自分のお気に入りジャンル・ゲームを見つけてeスポーツのトーナメント視聴を楽しんでみてください。
eスポーツのトーナメントの種類
ここからはeスポーツのトーナメントの種類を紹介していきます。
シングルエリミネーション
シングルエリミネーションは一般的なトーナメント。1回負けたら敗退の従来のスポーツでもよく見られるトーナメント形式です。特徴は1回負けたら敗退ということもあり、少ない試合数で大会が行われるという点です。
ただ、1発勝負なので下馬評では下位だったチームが実力差を覆して優勝なんてことも起こりやすくなっています。シングルエリミネーションは少ない試合数で行うことができるので出場者数が多い場合に採用されることが多くなっています。大会本戦出場をかけた予選に使われることもありますね。
ダブルエリミネーション
ダブルエリミネーションは2回負けたら敗退のトーナメント。1回戦の勝敗によって「ウィナーズサイド」と「ルーザーズサイド」に振り分けられます。ウィナーズサイドで1度負けるとルーザーズサイドに進みます。ルーザーズサイドのプレイヤーは1度負けているので再度負けると敗退となります。
対戦はウィナーズはウィナーズ同士、ルーザーズはルーザーズ同士。そして最後の決勝戦はウィナーズの勝者とルーザーズの勝者が対戦することになります。
ダブルエリミネーションは1度負けても即敗退ではないので、各チームが実力通りの結果を出しやすい方式になっています。そして多くの試合をすることになるので対策をできるかどうかが試合の勝敗を分ける重要なポイントになることもあります。
変則トーナメント
変則トーナメントはシングルエリミネーションとダブルエリミネーションが組み合わさったような形式です。基本的にはトーナメントの前にグループリーグの予選があり、その順位に基づいてトーナメントの組み合わせが決定されます。変則トーナメントでは以下のような組み合わせが多くなっています。
- 6位チーム vs 4位チーム
- 5位チーム vs 3位チーム
上記の2つの試合はシングルエリミネーション、そしてこの2試合の勝者は1位チームと2位チームと対戦することになりますが、そこからはダブルエリミネーションという形になります。
シングルラウンドロビン
シングルラウンドロビンはいわゆる総当たり戦です。eスポーツのトーナメントではシングルラウンドロビンを予選で、決勝トーナメントをダブルエリミネーションやシングルエリミネーションといった形式にしているものも多くなっていますね。
ダブルラウンドロビン
ダブルラウンドロビンは同じ対戦相手と2回ずつ戦う総当たり戦です。試合数が非常に多くなることもあり、長期的なリーグなどで採用される場合や出場者が少ない場合に採用されています。
スイスドロー
スイスドローは1つ前の試合の結果から対戦相手が決まるトーナメント形式です。つまり以下のような対戦組み合わせになるということです。
- 1回戦
- 1勝0敗 vs 1勝0敗、0勝1敗 vs 0勝1敗
- 2勝0敗 vs 2勝0敗、1勝1敗 vs 1勝1敗、0勝2敗 vs 0勝2敗
このように同じ戦績同士が対戦する形式です。大会では最終的に0敗が1人・1チームになるまで続けて優勝とする場合や、2勝や2敗などを次のステージの進出、敗退ラインにして行われるケースがあります。
フリーフォーオール
フリーフォーオールは1つの試合に複数人が対戦するゲームで使用されるトーナメントです。複数回試合を行い、各試合ごとに順位などでポイントを加算。そして最終的にポイントが最も高かったプレイヤーが勝者となります。
特徴は1度悪い結果を出しても逆転が十分可能な点。初戦で最下位を取ったとしても残りの試合で安定して好成績を残し続ければ、ポイントを積み重ね続けることができるわけですね。
ポーランドルール
ポーランドルールは複数回行われる試合の中で、ある一定のポイントを超えたチーム・プレイヤーがその次以降の試合でトップになった時に優勝とするルールです。「マッチポイント形式」と言われたりすることもありますね。
マッチポイントを迎えたチームを優勝させないようにする動きや、優勝するためにいつもと違うムーブをして、チームがバレないようにするといった駆け引きも見ることができます。
団体戦
団体戦は格闘ゲームなどで見られる大会形式。先鋒、次鋒、中堅、副将、大将がいるとすると、負けるまで先鋒が戦い続け、先鋒が負けたら次鋒、次鋒が負けたら中堅といったような形式になっています。いわゆる勝ち抜き戦ですね。
ただ、もし仮に先鋒が相手のどの選手よりも強ければ、先鋒以外は試合に出ないなど、後続の選手が試合に出られない場合も多くあるのがこの形式のデメリットとなっています。
星取戦
星取戦は先鋒は先鋒と、次鋒は次鋒と、中堅は中堅と対戦していく形式です。デメリットとしては片方のチームの連勝が続くと、勝敗が先に決まって、残りの試合が消化試合になってしまうこと。
そこでeスポーツのトーナメントでは大将戦で勝利したチームには2ポイントといったように最後まで逆転可能にしておく場合が多くあります。ストリートファイターの団体戦でも見られますね。ぜひストリートファイターの賭けも最後まで分からない試合とともに楽しんでみてください。
人気eスポーツ大会
ここからは人気のeスポーツ大会を紹介していきます。
VCT
VCTはValorantの公式大会。Valorantの賭けでこの大会を取り扱っているブックメーカーがほとんどになっています。VCTはシングルラウンドロビンやダブルエリミネーションが多く採用されています。
2024年に行われたMasters MadridではVCTで初めて予選でスイスドローが採用されていましたね。大会の賞金規模は2023年に日本で行われたMasters Tokyoの賞金総額は1.4億円となっています。
LoL Worlds
LoL Worldsは開催を重ねるごとに大会形式が異なる大会です。2023年に行われた大会ではダブルエリミネーションのノックアウトラウンドと予選のスイスドローステージラウンドに分けて行われました。
実はLoL Worldsは第1回大会は出場チームは8チーム、優勝賞金は10万ドルという小規模な大会でした。しかし、今では最も大きなeスポーツ大会であり、賞金も破格。2018年大会の賞金総額は7.2億円といわれています。LoLの賭けでeスポーツ最大の大会をぜひ楽しんでみてください。
ALGS
ALGSはApexの公式大会。今大会では予選ではフリーフォーオールの形式が。そして決勝戦ではポーランドルールで試合が行われます。2024年現在Apexの世界大会で優勝したことがあるのはDarkZeroとTSMの2チームのみ。
運要素が大きく絡むバトルロイヤルでありながら、ポーランドルールでは最後まで勝ち切る実力のあるチームが優勝していることがわかりますね。
このほかにもバトルロイヤル形式でいうとPUBGに賭けたりすることもできます。
まとめ
今回はeスポーツトーナメントの形式や採用されている大会について紹介してきました。eスポーツのトーナメント視聴をすでに楽しんでいた人でもここまで多くのトーナメント形式があるとは知らなかったという人もいるのではないでしょうか。また、従来のスポーツでは見られない方式が多い一方でeスポーツでは主流なものも多くありましたね。
ぜひこの記事を参考により知識がある状態でeスポーツトーナメントの視聴を楽しんでみてください。形式がわかっていると、ここで勝てば次はどのチームと対戦かも簡単にわかるようになっていきます。